はじめに
晴れの日と雨の日どちらが塗装に向いているのか、これを間違える人はなかなかいないのではないでしょうか?
通常であれば雨の日に施工をして欲しいというお客様はいないと思います。しかしお客様にも様々な事情があり
「これくらいの雨ならできるんじゃない?一時的に降っていない時間があれば塗ってほしい」
「雨続きで工期がだいぶ伸びてきちゃった……あとちょっとだし塗ってほしい」
「近所で塗装しているお家は小雨でも塗ってるのに……」
というご相談、実際にあるのです。では、雨の中もしくは降水の確率が高い中でも、塗装をしてくれる業者は良い会社なのでしょうか?今回は雨がどれくらい塗装に影響するのかを解説!是非最後まで読んで考えてみてください。
雨の日に作業ができない理由
大前提として雨の日は基本的に塗装作業が出来ません。なぜなら塗料をしっかり乾燥させる必要があるからです。雨や雪といった降水があると塗装に様々な悪影響があります。
塗料が落ちる
塗装した塗料が落ちてしまうとその日の作業は無駄になります。その上、塗装面がまばらになり均一に塗ることが出来ません。当然作業をやり直す必要が出てくれば施工期間が延びて完工が遅れてしまいます。
塗料が薄くなる
多くの水溶性塗料は適切な希釈率があり、専門の知識のある職人が天候に合わせて濃度をしっかり調整しています。
濡れることで塗料が薄まると性能を十分に発揮することが出来なくなり、建物自体の劣化や塗膜が剥がれるといった施工不良に繋がります。
結果として塗料の耐久性が低下してしまいます。さらに塗りムラも起きるので外観の仕上がりも悪くなってしまいます。
湿気により乾燥しにくくなる
湿気が高いと乾燥しにくくなるのでなかなか次の工程に進んでいけません。
具体的には塗料メーカーから出されている基準「湿気が80%を越えたら作業中止にする」業者がほとんどです。
塗料が乾燥しないうちに重ね塗りすることに
そもそも、天候云々の前に塗料はしっかり乾燥させてから重ね塗りを行う必要があります。工期を気にして下塗りが乾かないうちに重ね塗りすることはNGです。ピンホールなどの施工不良が発生する原因にもなります。
雨の日に塗装を強行するとどんな不具合があるの?
前の項目に施工不良というワードが何度か出てきました。なんとなく外壁や屋根に良くないんだろうな、というイメージは付くと思います。具体的にどんな影響が出るかもいくつか見ていきましょう。
ピンホール
針先くらいの小さい穴であるピンホールが多数発生し、そこから雨水などが侵食して内部の劣化を進めてしまいます。
膨らみ・塗ムラ
美観が損なわれているだけではなく塗料本来の防水・保護性能が発揮できず、風雨や紫外線のダメージからお家を守れないことに繋がります。
耐用年数を待たずに塗料の剥がれやチョーキングが起こり、再度塗装が必要になることもあります。
耐候性・耐久性が落ちる
塗膜は塗料を適切な温度・湿度・塗料の濃度で塗ることでカタログ通りの性能を発揮することが出来ます。しかし、気象条件が合わない状態で施工すると性能を十分に発揮することが出来ません。
結果的に経年劣化のスピードが速くなり、対候性や耐久性を発揮することが出来ません。
作業期間中に雨が降ったらどうするの?
ここまで雨の日に塗装を強行するデメリットを紹介していきました。しかしどんな季節であっても施工期間中全く雨が降らないという保証はなかなか難しいでしょう。では、雨が降った場合どうするのがベストなのでしょうか?
雨の日は作業中止
雨の日に塗装をすると良くない理由についてはここまでに解説してきました。解説してきました通り雨の日に強行する意味は仕上がりの観点からはありません、なので雨の日は原則塗装作業をストップします。
ちなみにこれは施工の品質を確保するためだけでなく、高所作業を行う作業員の安全を確保するためにも必要な休工です。雨の日は視界も悪くなり、足元が滑るので足場から滑落するリスクが高くなります。
降水確率が高い場合も作業中止
では、これから雨が降ることが予報で分かっている場合はどうでしょうか?
これも作業中止が望ましいです。雨が降ることが予想されている場合はあらかじめその日の作業をしないという決断をする業者も少なくありません。これは仕上がりの品質を守るために必要なことと理解しておきましょう。
急な雨の場合、可能であれば塗装した壁面に雨が当たらないように養生してもらいましょう。
雨の日はなんにもできないの?
雨の日だと全ての作業が出来ないというわけではありません。例えば、高圧洗浄を行ったり、足場を敷設したり、飛散防止シートを設置したり、資材の搬入出を行うことは可能です。出来る範囲で作業を行うことはあります。ただ、足場を組む作業は高所作業ですので雨が強い場合は安全確保のため作業中止することもあります。
その他にも外壁塗装する建物の高さや規模に沿って現場ごとの判断がありますので、ケーズバイケースになる部分もあります。
一部の下塗り塗料であれば雨の日でも下塗りが可能なことも
例えば関西ペイントのアレスダイナミックフィラーなどの全天候対応の下塗り塗料もあると言えばあります。とはいえ、一部の塗料に限られる上に下塗り塗料しかありません。基本は塗装できないという認識で良いと思います。
じゃあ逆に「雨でも塗装できますよ!」という業者の意図とは?
では、今までの解説で説明したデメリットを無視してでも施工が可能だという業者にはどんな意図があるのでしょうか?
とても単純な話で、強行することで工期を短くして足場代や職人の人工代を安くする意図があると考えられます。安くなることは良いことに聞こえますが、お客様の立場から見れば良いことではありません。なぜなら雨が降ったことによる工期の延長でお客様負担が増えることは原則ないからです。つまり雨の日に強行しても安くなるなどメリットがあるわけではなく、仕上がりが悪くなり耐久性が落ちるリスクなどのデメリットだけがお客様に残ります。
「雨の日でも塗装が可能です!」
「お客様のご要望があれば雨でも塗装します!」
などと言って雨の日でも塗装をする業者には注意が必要です。
ワンポント 施工期間が延びても追加料金って発生しないの?
施工期間が天候が原因で伸びた場合、追加料金が発生することは原則ありません。逆に契約時に約束した工期が伸びた場合も天候が理由の場合は補償の対象にならないことがほとんどです。
作新建装の場合
ここまで雨の日は塗装が出来ないことと、その理由を解説致しました。塗料は繊細なものなので雨が降っている時に塗ると施工不良を起こしてしまう可能性が高く、作新建装では雨の日に塗装作業は行いません。
施工不良を起こしてしまうと塗膜が不完全な状態になり、塗膜もお家も経年劣化が早くなってしまうからです。
天候により施工期間が延びてしまうことで、お客様にご迷惑をお掛けしてしまうこともございます。ですが、お客様に本当に喜んでいただける施工の為に必要な我慢と考えていただきたいと思います。
また、天候による施工期間の延長料金がかかることはないので安心して完工をお待ちいただければと思います。
今回は雨の日の施工についてを解説させていただきました。
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